パチンコ店若手社員向けの内容になります。
一般の方には?な内容になってしまうかもしれません(笑)
パチンコ店で社員として働きはじめて毎日ホールを走り回ること数ヶ月、だんだんと事務所で作業する時間も増えてきます。
ホールコンなどを見てデータの勉強などもすると思いますがほぼ全員がつまづく客滞率という用語。
もしかしたら役職者でも理解していない人もいるのでは・・・!?
というわけで今回はパチンコ・パチスロ用語の『客滞率』について説明します。
客滞率とは?
客滞率とはお客さんが持ち玉で遊技する割合のことです。
これだけだとよくわからないと思いますのでまずは計算式を見てみましょう。
計算式
客滞率=総Bサ÷売上玉
ベース差玉のことです。
通常時に吸い込まれた玉のことです。例えば4円パチンコで大当たりまでに20,000円使った場合はBサは5,000個となります。
売上金を貸玉で割ったものです。4円パチンコで20,000円使った場合は売上玉は5,000個となります。
では次に簡単な計算をしてみましょう。
4円パチンコで4万円使った所で大当たりして10,000個の出玉を獲得した。しかしその後全て飲まれてしまった。この場合の客滞率はいくつか?
まず売上玉を求めてみましょう。
4万円使ったということなので4万÷4円で10,000個が売上玉ですね。
次に総Bサを求めてみましょう。
Bサとは通常時に吸い込まれた玉なのでまずは大当たりまでに飲まれた10,000個です。そしてその後、大当たりで獲得した10,000個も全て飲まれてしまっているので総Bサは20,000個になります。
総Bサ÷売上玉が客滞率の公式なので
20,000÷10,000=200%が客滞率となります。
今はほとんど存在しませんが昔は一回交換という営業方式がありました。
一回交換の場合は客滞率は常に100%となります。
大当たりが1回終わったら出玉を流し、継続する場合は再び現金を入れるという営業方式です。この場合は売上玉と総Bサが同じ値になるので客滞率は100%となります。
客滞率に100%以下は存在しないんだ。
客滞率で何がわかる?
計算方法がわかっただけでは意味がありません。
次に客滞率によって何がわかるかを説明します。
客滞率でお客様や台の特性が把握できる。
客滞率は高いからいい、低いからダメというようなものではありません。
客滞率は主にお客様や台の特性を把握するための数値です。
例を挙げます。
繁華街の駅前にあるA店は少し時間が空いたサラリーマンなどが多く来店します。何時間も粘るほど暇ではないので大当たりを1度引いたら満足してやめていく人が多いです。
この場合、客滞率は低くなります。
大当たりして即ヤメに近ければ客滞率は下限値である100%に近づいていきます。
郊外の人気店B店は土日になると朝から満席で中々空き台ができません。非等価で台移動もできないので尚更みんな1台で粘ります。
この場合、客滞率は高くなります。
一般的に平日より土日の方がお客さんは時間がある為、客滞率は上がります。また非等価で台移動ができないというハウスルールなので尚更、客滞率は上がります。
手軽に遊べる甘デジの新台を入れたが客滞率が120%しかない。
一般的に出玉を得るまでの投資が少なければ少ないほど客滞率は上がります。
甘デジにも関わらず客滞率が低いということは「この新台はつまらないんじゃないか?」といった予想ができたり、もしくは空調が効きすぎているのかもしれません。新台にも関わらずお客さんが粘らないということは何か不満を持っている可能性が高いです。
このように客滞率は問題発見をするのにも使えます。
ミドルタイプでは大当たりを一回引いたら満足するけど甘デジはもう一回当たるまで打ってみようかなと思う方もいると思います。パチスロでいうとAT機よりノーマルタイプの方が客滞率は高くなります。ジャグラーで即ヤメの人とかあまりいませんよね。
客滞率は曜日や台のスペック、立地や交換率によって変わってきます。
大切なことは自店の客滞率を把握した上で変化に気付くことです。
状況別の客滞率
客滞率は計算も複雑で中々イメージもしづらいと思うので一般的な客滞率の高低を載せておきます。
客滞率高 | 客滞率低 |
郊外店 | 駅前店 |
人気店 | 不人気店 |
ノーマル機 | AT機 |
甘デジ | ミドル |
土日 | 平日 |
高設定 | 低設定 |
非等価交換 | 等価交換 |
面白い機種 | つまらない機種 |
コイン単価低 | コイン単価高 |
利益率低 | 利益率高 |
※上記は一例です。必ずしもそうなるとは限りませんので参考程度にお考え下さい。
利益率だけみると客滞率が低い方がいいじゃんって思うかもですが客滞率が低い状態っていうのはお客さんが粘っていない=稼働が飛んでいる可能性が高いため、危険信号です。
客滞率が高い状態は持ち玉で粘ってくれているので利益率は低くなりますが健全な営業ができていますね。
客滞率の練習問題
正直なところ、客滞率の計算ができたところで実務ではほとんど役には立たないと思います。
ただ、昇級するために試験が必要だったり、計算できると上司や同僚に数字に強い人ってイメージを与えることができますよ(笑)
練習問題
では以下の問題をやってみましょう。
すべて4円パチンコとして計算してみてください。
問1.総Bサが30,000個で売上が10,000円のときの客滞率を求めよ。
問2.客滞率が200%、総Bサが30,000個のときの売上金額を求めよ。
問3.下のグラフはある台のスランプグラフである。
持ち玉ができるまでは現金、持ち玉ができた後は持ち玉で粘ったとするとこの台の客滞率はいくつか?(左の数字は差玉数、グラフが下がっている部分は全て通常中とする。)
解答
問1.総Bサが30,000個で売上が10,000円のときの客滞率を求めよ。
A.客滞率の公式は総Bサ÷売上玉なので30,000÷2,500=1,200%
1,200%なんて見慣れない数値が出てくると焦りますが売上が少ないとこのような数値になりやすいです。
問2.客滞率が200%、総Bサが30,000個のときの売上金額を求めよ。
A.総Bサ÷売上玉=客滞率なので式を変形させて30,000÷2(200%)=15,000個。
売上金額を求めよとのことなので4を掛けて60,000円が正解です。
問3.下のグラフはある台のスランプグラフである。
持ち玉ができるまでは現金、持ち玉ができた後は持ち玉で粘ったとするとこの台の客滞率はいくつか?(左の数字は差玉数、グラフが下がっている部分は全て通常中とする。)
A.まずはグラフから必要な数値を抜き取りましょう。最初に持ち玉ができるまでは現金投資をしていたとの事なので4,000個(16,000円)が売上玉だとわかります。
あとは総Bサがわかればいいので、グラフが下がっている部分を全部足します。
まずは持ち玉ができるまでの4,000個、そしてその後6,000個から2,000個までグラフが下がっているので差玉は4,000個。8,000個から4,000個まで再び飲まれているので4,000個。
全て足すと12,000個となります。
あとは公式にあてはめるだけです。
12,000÷4,000=300%が正解となります。
客滞率は慣れるまでは難しく感じると思いますが慣れてしまえば活用できる数値だと思いますのでぜひマスターしてみてください。
今回は以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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